稲わらバイオエタノール:原料収集から車両走行まで、県内で実証実験へ /秋田
11月20日13時3分配信 毎日新聞
◇環境にやさしい、地産地消の新エネルギー
「稲わらバイオエタノール」の実用化に向けて、県内で原料収集から製造、車両走行までの一貫した実証実験に取り組むことになった。このほど、技術確立のための国の事業のモデル地区に採択された。広大な田でコメを生産する大潟村で刈り取りと走行実験をし、製造過程では潟上市の日本酒メーカーの知恵も拝借。秋田の財産を生かし、環境にやさしい新燃料の実用化を目指す。【百武信幸】
◇「モデル地区目指したい」
バイオエタノールは植物のセルロース(繊維質)などから取り出した糖を発酵させて製造し、化石燃料に代わる新エネルギーとされる。
現在はトウモロコシやサトウキビが主流となっているが、食料価格の高騰を招いた。これに対し稲わらは県内では家畜のえさや畳に1割程度が使われる他は主に田の肥料となっており、食料供給に影響を与えない燃料として注目される。
計画によると、県農業公社が大潟村の田んぼ30ヘクタールで集めた稲わらを潟上市の昭和工業団地に設置するプラントで精製する。糖に分解後、発酵させてアルコールにする際に酵母を使うが、発酵の純度を高めるため日本酒やみそ造りのノウハウがある同市の小玉醸造から助言を受けるという。
稲わら1トン当たりからエタノールを約150リットル、1日最大200リットル製造し、総コストは1リットルあたり90円を目指す。
さらにほぼ平たんでソーラーカーラリーなどに使われる大潟村の「ソーラースポーツライン」で、エタノール100%燃料での車両走行のテストをする予定。
稲わらはセルロースの分解が難しく、従来の硫酸で分解する方式では保管や処理にコストがかかるのが課題になっていた。そこでカワサキプラントシステムズ(神戸市)の熱水分解技術を応用。同社がプラント製造と走行実験を担当する。
これらの実験を通じて効率性やコスト面での課題を探るほか、稲わら持ち出しによる土壌への影響も調べる。今年度から5カ年で総事業費約20億円を見込み、本格的な始動は刈り取りが終わる09年10月となる。
県生活環境文化部の武藤冨士雄部長は「稲わらは地産地消のエネルギー。秋田は木質バイオマスのモデル事業も採択されており、新エネルギーのモデル地区にしたい」と意欲を語った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081120-00000105-mailo-l05