田舎暮らし 市町村が誘致合戦 首都圏周辺や東北地方
1月13日11時53分配信 毎日新聞

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東京から福島県への移住を希望する会社員男性(40)の相談に乗るふるさと回帰支援センターの相談員(左)=東京・銀座で2009年1月6日、丸山博撮影
おらがまちに来て−−。都会からの移住を促し過疎解消を目指そうと、首都圏周辺や東北地方の市町村が誘致合戦を繰り広げている。移住者獲得を目指す自治体の作戦とは?【松本惇】
茨城県大子町は、町有地16区画(1区画約800〜1700平方メートル)を無償貸与している。昨年募集したところ平均倍率は約10倍の人気ぶり。すでに全区画で、当選した世帯が自費で家を建築中だ。貸与期間は20年だが、期限後も返還を求める予定はなく、事実上の宅地の無料提供。町企画課は「元々格安で購入した土地で、今後は住民税なども入るので無償でも問題ない。
長野県飯山市は06年に「いいやま住んでみません課」を設け、転入して住宅を建てる人に最大225万円を補助する制度を3月まで実施。山梨県は都市と地方に生活拠点を持つ「2地域居住者」に対し、市町村ごとに温泉施設などの利用優待や、ブドウなどの無料提供の特典を設けている。秋田県鹿角市は空き家情報を提供し、購入や賃借時の修繕費用を50万円を上限に助成している。
東京まで東北新幹線などで2時間前後の福島県内では、市町村の取り組みが活発だ。会津若松市は、合併前の旧北会津村助役公舎を「ほたるの森移住体験住宅」として月額9500円で貸し出し、既に10年3月まで予約で埋まっているという。泉崎村は村の分譲宅地を300平方メートル以上購入した人に、村外への鉄道通勤の定期券相当額を全額助成する「ゆったり通勤奨励金」を3年間または計300万円を限度に交付する。小野町は家を新築する転入者にトラック1台分の木材を贈る「町有林おすそわけ事業」やETC購入費の助成事業などを実施している。
いわき市は独自に、移住相談窓口を地元商工会議所に設置した。03年に千葉県松戸市からいわき市へ妻と移住した多田秀男さん(73)は「きれいな星空を見ると日々の疲れも吹き飛ぶ。田舎暮らしの不便さも気にならない」と話す。
だが、田舎暮らしは成功例ばかりではない。いわき市の移住相談窓口によると、物件の修繕やインターネット環境など生活インフラが充実していないことを理由に、移住を断念する人も多い。年間150件ほどの問い合わせがあるが「イメージを膨らませ、ギャップの大きさに戸惑う例もある。大半は再検討すると話し、移住には至らない」と話す。
福島県を含む全国13自治体がブースを構える「ふるさと暮らし情報センター」(東京・銀座、電話03・3543・0333)の来場者アンケート(07年4月〜08年5月)では、移住を希望する県の1位が福島で、以下、長野、千葉と続いた。相談件数は06年度の1150件から07年度は2151件へと増えている。
センターを運営するNPO法人「ふるさと回帰支援センター」は今年4月、大阪にも同様の情報センターを開設する予定で、高橋公(ひろし)理事・事務局長(61)は「以前は『特別』なことだった田舎暮らしが、最近は『普通』のこととして定着してきており、30代の移住者も増加している。景気が冷え込む中、今後も希望者は増えていくのではないか」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090113-00000006-maip-soci